金融商品の優劣はシャープさん考案の「シャープレシオ」でわかる!
世の中には、株式、社債、保険、投資信託、国債など様々な金融商品があります。同様に、それら金融商品を扱う会社も多く存在します。大概、自分たちの金融商品の方が他の金融商品より優れているという広告や、セールスばかりで実際はどれがいいのか、選ぶのには苦労します。そんなとき、役に立つのが「シャープレシオ」です。
以下、シャープレシオについて簡単にまとめました。
シャープレシオ(SPM : シャープの評価制度)でわかること
投資においては、基本的にハイリスク・ハイリターンの商品か、ローリスク・ローリターンの商品かの選択になります。この商品の違いは、「性質の違い」であり、優劣を意味しません。
しかし、シャープレシオを使えば数学的に、金融商品の優劣を測ることができるのです。
シャープレシオを学ぶ前に
次の2つを理解しておく必要があります。
・平均収益率
・標準偏差(S.D. = Standard Deviation)
平均収益率は名前の通り収益率の平均です。基本的には一月や一年など、一定期間を対象に算出します。
標準偏差(S.D.)は平均値からの散らばりの平均度合いを表します。取りうる値の95%は平均値±2×S.D.の範囲にあると考えられています(難しい話は省きますがそういう決まりになってます)。例えば、Zくんのテストの平均点が80点で、標準偏差が2だった場合、Zくんは95%の確率で76~84点の範囲の点数をとる人だとわかります。
標準偏差の計算方法
手順①平均値の計算
平均値=(データの合計)÷(データ数)
手順②偏差の計算
偏差=(データの数値)-(平均値)
手順③分散の計算
分散={(偏差の2乗)の合計}÷(データ数)
シャープレシオの計算方法
計算方法はとても簡単です。
金融商品Xについて
(Xのシャープレシオ)={(Xの平均収益率)-(国債の利回り)}÷(Xのリスク)
※(Xの平均収益率)-(国債の利回り)…リターン(収益率)の評価
※(Xのリスク)…標準偏差(S.D.)
例えば、国債の利回りが3%の場合、以下A、B、Cの3つの金融商品について考えます
A(平均収益率4%、標準偏差6%)
B(平均収益率5%、標準偏差5%)
C(平均収益率7%、標準偏差5%)
それぞれ上の式に当てはめてシャープレシオを求めると、Aは0.167、Bは0.400、Cは0.800となる。シャープレシオの値が大きいC、B、Aの順に優良な金融商品ということがわかります。
シャープレシオの計算式の意味
なぜリターンから国債の利回りを引き算したものを基準にとるのかというと、国債が誰でも入手可能な最も安全な有利子資産であり、その利子分を上回る分こそが、一般の金融資産の価値だと考えられるからです。
また、リターンの評価をリスクで除算することで、異なるリターンやリスクの商品を統一的に比較することができます。
まとめ
同じ平均収益率なら、S.D.(リスク)が小さいほうが優良な金融商品であり、同じS.D.(リスク)なら平均収益率が大きいほうが優良な金融商品です。
また、シャープレシオが大きいほうが、優良な金融商品と考えられます。優劣のない金融商品は「シャープレシオが一致する」。
以上、シャープレシオについてでした。必ずしもうまくいくかどうか保証はできませんが、これから金融商品を買おうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
また次回。